群馬大学 多職種連携教育 授業紹介
群馬大学 多職種連携教育(Interprofessional Education: IPE)
― 未来の多職種連携を創造する実践型カリキュラム ―
群馬大学は1999年より、「全人的医療」と「チーム医療」の実現を掲げ、日本を代表する体験型IPEを展開してきました。現在では医学・保健学・薬学の多様な専門職学生が一堂に会し、実践的かつ科学的に設計されたカリキュラムのもとで学んでいます。
本プログラムの特徴
・医療安全や地域医療など、多様な社会的ニーズに幅広く対応可能なカリキュラム設計
・多職種チームによる実践型学習
・フィールドトレーニング
・教育効果の科学的検証
・ハイブリッド型教育運営
・30年の実績
・WHO協力センターとしての国際的信頼性
・教育効果の科学的検証
・大規模・多職種教育の実装ノウハウ
全15回の学習プロセス
全15回ダイジェスト|チームワークトレーニング総集編(9:45)
Lesson 1:多職種連携の意義と医療安全 IPEの基盤理解と事前評価の実施(2:10)
現代医療の最重要課題である「医療安全」と多職種連携の密接な関連を深く理解することから、本プログラムは始まります。全15回の学習目的とゴールを明確に共有し、学習者の意欲を高めます。また、教育効果を科学的に検証するため、最新の評価指標を用いた事前調査(Pre-program Survey)を実施し、成長を可視化する準備を整えます。
Lesson 2:チームビルディング 心理的安全性の確立と役割分担(2:09)
実習施設への配属決定とともに、チームの心理的安全性を高める関係構築を行います。単なる顔合わせではなく、目標達成に向けた「主体的な姿勢」と「役割分担」を明確化し、プロフェッショナル・チームとしての第一歩を踏み出します。
Lesson 3:ノンテクニカルスキル リーダーシップ・コミュニケーションの習得(2:10)
リーダーシップや相互支援といったノンテクニカルスキルの重要性を深く学びます。特に「心理的安全性」に焦点を当て、誰もが萎縮せず発言できるチーム文化をいかに醸成するか、具体的なコミュニケーションツールを用いて習得します。授業運営は、中心拠点と各教室をオンラインで結び、全体進行と各班の担当教員が密に連携するハイブリッド形式を採用しており、多地点・大人数でも質の高いグループワークを維持する高度な教育ノウハウを体験します。
Lesson 4–5:症例シミュレーション 模擬症例を用いた課題解決(Lesson 4、2:05)
模擬症例を用いた本格的なグループ学習へと展開します。学生は多職種チームの中で自律的に課題を抽出し、互いの専門性を紹介し合うプロセスを通じて、他者理解と自己理解を深めます。
Lesson 6–9:計画立案 文献調査と戦略的思考(Lesson 6、2:08)
施設実習に向けた「アクションプラン」を準備するフェーズです。文献調査や事前情報の解析を通じてチーム独自の課題を設定し、目標達成に向けた合意形成のプロセスを繰り返すことで、現場を論理的に観察・分析するための「調査・計画能力」を養います。各教室では、教員が学生チームのグループ形成プロセス(Group Dynamics)を見守りながら、全員が主体的に議論へ参画できるようきめ細かなファシリテーションを行い、チームの成熟をバックアップします。
Lesson 10:フィールドトレーニング 実際の現場での学習(4:25)
実際の保健・医療・福祉現場に飛び込み、多職種の連携を肌で感じます。大学で学んだ理論が、刻一刻と変化する現場でどう体現されているのか。学生たちは「理論と実践の融合」を実体験として刻みます。
Lesson 11–13:分析と統合 知見の整理と共有(Lesson 12、1:27)
現場で得た膨大な気づきを整理し、プレゼンテーションと報告書にまとめます。個人の経験をチームの知見へと昇華させるこのプロセスは、クリティカルシンキングとチーム内での情報共有スキルを飛躍的に向上させます。
Lesson 14:成果発表 チームごとの発表と評価(5:38)
全チームが集い、学習成果をプレゼンします。多様な施設・症例での経験を共有することで、一つのチームを超えた広範な「チーム医療のあり方」を学び、他者の視点を取り入れる柔軟性を養います。また、プログラムの締めくくりとして、事後調査(Post-program Survey)を実施します。Lesson 1での事前調査と比較・分析することで、本カリキュラムによる学生の成長を科学的に検証し、教育効果を可視化します。
Lesson 15:リフレクション 最終振り返りと成長確認(2:00)
プログラムの締めくくりとして、医学科学生と再び合流。これまでの全工程を振り返り、医療安全の重要課題である「転倒・転落」をテーマとした合同事例検討を行います。これまでに習得したチームスキルと現場実習での経験を土台に、多職種の視点からリスク因子を多角的に分析し、現場で実践可能な予防策をチームで立案します。
最後に、全15回を通じた自身の学びを深くリフレクションすることで、専門職としてのアイデンティティを確立し、将来のチーム医療を牽引するリーダーとしての自覚と決意を新たにします。
第1回WHO協力センター世界フォーラムへの参加報告
日時:2026年4月7日-9日
場所:WHOアカデミー、マリュ・スタジアム「The Village Implid」(フランス、リヨン)
群馬大学参加者:
蒲章則 特別教授・アドバイザー・多職種連携教育推進室
牧野孝俊 准教授・副センター長・多職種連携教育推進室
世界保健機関(WHO)は、1948年4月7日の憲法施行をもって正式に設立されました。
この創立記念日に合わせ、2026年4月7日、フランスのリヨンにおいて「第1回 WHO国別協力戦略(CCS)グローバル・フォーラム」が開催されました。
第1回世界フォーラムの目的は、以下の通りです。
1. WHO協力センター(WHO CC)コミュニティの有効性と連携を強化し、WHOの戦略的目標達成を支援する。
2. 進化するグローバル・ヘルス・アーキテクチャ(国際保健構造)において、WHOと各WHO協力センターの戦略的整合性を高め、集団的なプレゼンスを強化する。
主な活動内容
【目的1に関連して】
「WHO協力センター・マーケットプレイス&ポスターセッション」および「グローバルな方向性から地域へのインパクトへ」のセッションにおいて、牧野副センター長が「多職種連携教育に関する研究・研修のためのWHO協力センター(JPN-89)の活動」と題したプレゼンテーションを行いました。あわせて、本年8月末に開催予定の「IPE(多職種連携教育)研修コース」に関する情報発信も行いました。
また、牧野副センター長は参加者との間で、災害リスク管理教育における現地能力(ローカル・キャパシティ)の構築や、科学的根拠に基づいた手法の導入について、今後の協力体制を協議しました。これらの活動は、西太平洋地域における「気候変動に強い保健医療システム」として、保健システムのレジリエンス強化、コミュニティの安全、および持続可能な開発を目指す戦略目標に合致するものです(図1)。
【目的2に関連して】
牧野副センター長は、WHO/IARCと群馬大学WHO協力センターとの連携について協議を行いました(図2)。
また、厚生労働省と国際シンポジウムを開催することに合意しました(図3)。
(図2)
(図3)
第2回グローバル学生IPEリーダーキャンプ
ー共に学び・共に生活し・共に楽しむー
本学主催で多職種連携教育グローバル・ワークショップを開催しました。
4か国6大学から学生27名、オンライン参加2校、教員12名(うち3名はオブザーバー)が参加し、アジア地域における多職種連携や多職種連携教育の現状、多職種連携教育における学生リーダーに必要な能力について議論するなど有意義な交流の時間を共に過ごしました。
報告書はこちらをご覧ください。
多職種連携教育の一環として看護補助者研修を実施
2025年11月11日(火)、群馬大学医学部附属病院看護部と協働し、「起き上がり・車いす移乗介助」研修を開催しました。本研修は、看護補助者の皆さんを対象に、多職種がともに学び、理解を深める機会として実施しました。
研修では、起き上がりおよび移乗介助の基本的手順、尿バッグ・点滴等管理を含めた応用対応、そして危険予知トレーニング(KYT) について実践的に学びました。
本研修の大きな特徴は、多職種で同じ内容を学び、共通の視点と言語を持つ機会とした点にあります。起き上がりや移乗は、看護補助者のみならず、看護師、リハビリテーション職種など多くの職種が関わるケアです。身体力学の理解や介助手順を共有することは、職種間の役割理解を深め、患者さんに対して一貫性のある安全な支援を提供する基盤となります。 また、多職種で危険予知の視点を確認することは、安全文化の醸成にもつながります。それぞれの専門性を尊重しながら協働することで、より質の高いチーム医療の実践が可能となります。
今後も、多職種連携教育の視点を重視し、現場実践に直結する研修を継続してまいります。
第13回群馬大学IPEトレーニングコース参加者募集
春海保健大学校国際交流院(韓国)と多職種連携教育分野における研究・教育交流の締結
2025年10月30日(木)、群馬大学多職種連携教育研究研修センターと韓国の春海保健大学校国際交流院の間で、Letter of Intent(LOI)が締結されました。
両組織はこのLOIに基づき、これからも積極的に多職種連携教育分野における研究・教育交流に取り組んでいくことを約束しました。


The 12th Gunma University IPE Training Course
Date
August 19 - August 22, 2025
Venue
Showa Campus, Gunma University
Participants
Thirty-six participants from six countries attended the program: Two from Malaysia, six from the Philippines, one from Vietnam, five from South Korea, 21 from Thailand, and one from Japan. The supervisor for Gunma University WHO Collaborating Centre (WHOCC) at the WHO Western Pacific Regional Office in Manila attended the full program. Other guest speakers were invited from two Japan Interprofessional Working and Education Network (JIPWEN) universities and Takasaki University of Health and Welfare.

Participating institutions
De La Salle Medical and Health Sciences Institute, Philippines
Kangwon National University, Korea
Niigata University, Japan
Pham Ngoc Thach University of Medicine, Vietnam
Praboromarajchanok Institute, Thailand
Prince of Songkla University, Thailand
Southwestern University PHINMA, Philippines
Universiti Malaysia Sarawak, Malaysia
UP College of Nursing, Philippines
For more details, please refer to the program book.
IPE12th-ProgramBook-01
IPE12th-ProgramBook-02
IPE12th-ProgramBook-03
IPE12th-ProgramBook-04
The 13th Gunma University IPE Training Course
August 18 - August 21, 2026
Please contact us if you would like to participate in the Training Course 2026.
leebumsuk★gunma-u.ac.jp (Please change ★ to at sign.)
世界患者安全の日
多職種連携教育研究研修センター(WHO協力センター)は、世界患者安全の日に制定された9月17日に、世界保健機関と連携し、患者安全の促進に取り組んでおります。
今年度も、群馬県医師会、群馬県、高崎健康福祉大学と共催し、2019年より世界患者安全の日に合わせ、厚生労働省医政局総務課医療安全推進室長を招聘し医療安全講演会を開催すること、世界患者安全のイメージカラーであるオレンジ色にライトアップすることを前橋市(臨江閣)や草津町(草津温泉湯畑)、高崎市慈眼院(高崎白衣大観音)、高崎健康福祉大学のご協力の下に実施しましたことを報告します。
※「世界患者安全の日(World Patient Safety Day)」
患者安全を促進する事への人々の意識・関心を高めること等を目的として、2019年5月の世界保健機構(WHO)の総会にて、毎年9月17日が「世界患者安全の日」として制定されました。

第1回グローバル学生IPEリーダーキャンプ
ー共に学び・共に生活し・共に楽しむー
本学主催で多職種連携教育グローバル・ワークショップを開催しました。
4か国7大学から学生27名、教員12名が参加し、アジア地域における多職種連携や多職種連携教育の現状、多職種連携教育における学生リーダーに必要な能力について議論するなど有意義な交流の時間を共に過ごしました。
報告書はこちらをご覧ください。
モンゴル国立第三病院設立70周年記念学会
Title : International Conference dedicated to the 70th Anniversary of the Third State Central Hospital of Mongolia
Date : 11 September – 13 September 2024
Venue : Emerald Hall, Blue Sky Tower, Ulaanbaatar
Organizer : The Third State Central Hospital of Mongolia, TSCH
Member : Prof. Akinori Kama, Prof. Hiromitsu Shinozaki
Summary in brief
The 70th-anniversary celebration of the Third National Central Hospital included an academic conference and commemorative ceremony in Ulaanbaatar, Mongolia from September 11 to September 13, 2024. The event was attended by the H.E. Mongolian Minister of Health, the Embassy of Japan, H.E. Ambassador of China, H.E. Representative of Taipei Trade and Economic Representative office in Ulaanbaatar, and Representative of WHO. Lectures at the conference were given by Professor Akinori Kama and Professor Hiromitsu Shinozaki (Video) from the WHO Collaboration Center, Gunma University. The event was attended by representatives from Gunma University, Showa University (Japan), Sun Medical Center (Korea), Bundang Medical Center (Korea), Honsei University (Korea), National Taiwan University Hospital, Saint Louis University (Philippines), and LuxDev (Luxembourg) and other missions.
The Third National Hospital is a leading medical facility in Mongolia, dedicated to providing high-quality healthcare. The hospital is actively seeking to enhance its international partnerships, and we are optimistic about its future collaboration with the WHO Collaborating Center at Gunma University.
Reference 1: Program
Reference 2: Front of the venue

Reference 3: Diplomatic Corps Photo

Reference 4: Panoramic view of the venue









