第13回IPEトレーニングコース(2026) 実施報告
日程: 2026年8月18日~21日
会場: 群馬大学
主催: 群馬大学 WHO協力センター(JPN-89)
参加者: 韓国、フィリピン、ベトナムの11大学の大学教員および保健医療専門職34名
群馬大学WHO協力センター(JPN-89)は、第13回群馬大学IPE Training Courseを開催しました。韓国、フィリピン、ベトナムの11大学から、大学教員および保健医療専門職34名が参加しました。
プログラムには、IPEおよび協働実践に関するグローバルな視点、群馬大学におけるIPEプログラム、事例を用いた多職種連携シミュレーション、患者安全をテーマとしたIPE、IPEの評価、学生チームの形成、教員・ファシリテーターの役割などに関する講義やグループ活動が含まれました。
また、参加者は病院や地域ケア施設を訪問し、日本における多職種連携や統合的ケアについて学びました。3日目には、健康危機および災害対応をテーマとした国際シンポジウムを開催し、その後、今後の共同研究や各所属機関におけるアクションプランの策定について議論を行いました。
本コースは、アジア太平洋地域におけるIPEのさらなる発展に貢献するとともに、参加機関間の長期的な教育・研究連携を強化する貴重な機会となりました。

プログラム集は下記URLよりご覧いただけます。
https://heyzine.com/flip-book/c224d023bd.html
グローバルヘルスと災害に関する国際シンポジウム開催
日程: 2026年6月5日
会場: 群馬大学 臨床大講堂
主催: 群馬大学 WHO協力センター(JPN-89)
群馬大学WHO協力センター(JPN-89)主催による「グローバルヘルスと災害に関する国際シンポジウム」を開催しました。
厚生労働省の井筒将斗先生には、WHOをめぐる最近の動向、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)、気候変動への適応、国際保健規則(IHR)、パンデミック協定などを含む、グローバルヘルスの最新動向について基調講演をいただきました。
群馬大学大学院保健学研究科の松井理恵先生からは、フィリピン大学での経験をもとに、フィリピンにおける地域保健、災害看護の実践と課題についてご紹介いただきました。
また、群馬大学大学院保健学研究科大学院生のChidawan Suyakong先生からは、アジアにおける学生主体の多職種連携教育(IPE)について発表があり、International Student IPE Leadership Campの取り組みが紹介されました。
本シンポジウムは、グローバルヘルス、災害対応、多職種連携教育に関する最新の視点を共有するとともに、今後の国際連携の可能性について考える貴重な機会となりました。
韓国高齢親和産業学会講演
日程: 2026年5月29日~30日
会場: 韓国・釜山、東明大学(Tongmyong University)
主催: 韓国高齢親和産業学会(Korea Aging Friendly Industry Association)
参加者: 李範爽センター長
本センターは、韓国・釜山の東明大学で開催された韓国高齢親和産業学会 第38回国際学術大会に参加しました。大会テーマは、「超高齢社会におけるAge-Techを活用したケアイノベーション:AIとデジタルトランスフォーメーションが牽引する高齢親和産業」でした。
本大会には、センター長の李範爽が招待講演者として参加し、「ヘルスリテラシー・テクノロジーにおける多職種連携教育の役割(The Role of Interprofessional Education in Health Literacy Technologies)」と題して講演を行いました。講演では、多職種連携教育(IPE)の重要性、ヘルスリテラシー向上への貢献、そしてテクノロジーの活用が進む医療環境において、医療専門職が協働実践に備えるうえでIPEが果たす役割について紹介しました。
また、大学および臨床現場からの参加者との意見交換を通して、IPEの意義と今後の展望について共有しました。
ベトナムからの保健医療・福祉関係者によるスタディビジット
2026年5月26日・27日、ベトナムの地方行政機関、リハビリテーション病院、精神科病院、社会福祉施設等の関係者によるスタディビジットを受け入れました。
本訪問は、障害のある方々の生活の質向上を目的として、多職種によるリハビリテーション、在宅・地域・施設におけるケア、メンタルヘルスケアについて学ぶことを目的に実施されました。
5月26日には、美原記念病院およびデイケアきららを訪問し、日本におけるリハビリテーションや地域ケアの実際について学びました。
27日には前橋市役所を訪問し、地域における保健・医療・福祉の取り組みについて学び、関係者との意見交換を行いました。
今回の交流が、ベトナムにおける障害者支援、地域・在宅ケア、多職種連携のさらなる発展につながることが期待されます。


De La Salle Medical and Health Sciences Institute(フィリピン)訪問団が群馬大学WHOCCを訪問し、LOI締結を実施しました
2026年6月15日、フィリピンの De La Salle Medical and Health Sciences Institute(DLSMHSI) より、学長を含む8名の訪問団が群馬大学を訪問されました。
今後の教育・研究交流のさらなる発展に向けた Letter of Intent(LOI)締結式 が執り行われました。締結式には、大学院保健学研究科長をはじめ、WHOCC関係教員が出席し、学生・教職員交流、共同研究、国際的な多職種連携教育(IPE)の推進について意見交換が行われました。
また、訪問団は医学部附属病院および保健学科を見学し、今後の連携の可能性について理解を深めました。
今回のLOI締結は、両機関の長年にわたる協力関係をさらに発展させ、アジア地域におけるIPEおよびInterprofessional Collaborative Practice(IPCP)の推進に向けた重要な一歩となりました。


群馬大学 多職種連携教育 授業紹介
群馬大学 多職種連携教育(Interprofessional Education: IPE)
― 未来の多職種連携を創造する実践型カリキュラム ―
群馬大学は1999年より、「全人的医療」と「チーム医療」の実現を掲げ、日本を代表する体験型IPEを展開してきました。現在では医学・保健学・薬学の多様な専門職学生が一堂に会し、実践的かつ科学的に設計されたカリキュラムのもとで学んでいます。
本プログラムの特徴
・医療安全や地域医療など、多様な社会的ニーズに幅広く対応可能なカリキュラム設計
・多職種チームによる実践型学習
・フィールドトレーニング
・教育効果の科学的検証
・ハイブリッド型教育運営
・30年の実績
・WHO協力センターとしての国際的信頼性
・教育効果の科学的検証
・大規模・多職種教育の実装ノウハウ
全15回の学習プロセス
全15回ダイジェスト|チームワークトレーニング総集編(9:45)
Lesson 1:多職種連携の意義と医療安全 IPEの基盤理解と事前評価の実施(2:10)
現代医療の最重要課題である「医療安全」と多職種連携の密接な関連を深く理解することから、本プログラムは始まります。全15回の学習目的とゴールを明確に共有し、学習者の意欲を高めます。また、教育効果を科学的に検証するため、最新の評価指標を用いた事前調査(Pre-program Survey)を実施し、成長を可視化する準備を整えます。
Lesson 2:チームビルディング 心理的安全性の確立と役割分担(2:09)
実習施設への配属決定とともに、チームの心理的安全性を高める関係構築を行います。単なる顔合わせではなく、目標達成に向けた「主体的な姿勢」と「役割分担」を明確化し、プロフェッショナル・チームとしての第一歩を踏み出します。
Lesson 3:ノンテクニカルスキル リーダーシップ・コミュニケーションの習得(2:10)
リーダーシップや相互支援といったノンテクニカルスキルの重要性を深く学びます。特に「心理的安全性」に焦点を当て、誰もが萎縮せず発言できるチーム文化をいかに醸成するか、具体的なコミュニケーションツールを用いて習得します。授業運営は、中心拠点と各教室をオンラインで結び、全体進行と各班の担当教員が密に連携するハイブリッド形式を採用しており、多地点・大人数でも質の高いグループワークを維持する高度な教育ノウハウを体験します。
Lesson 4–5:症例シミュレーション 模擬症例を用いた課題解決(Lesson 4、2:05)
模擬症例を用いた本格的なグループ学習へと展開します。学生は多職種チームの中で自律的に課題を抽出し、互いの専門性を紹介し合うプロセスを通じて、他者理解と自己理解を深めます。
Lesson 6–9:計画立案 文献調査と戦略的思考(Lesson 6、2:08)
施設実習に向けた「アクションプラン」を準備するフェーズです。文献調査や事前情報の解析を通じてチーム独自の課題を設定し、目標達成に向けた合意形成のプロセスを繰り返すことで、現場を論理的に観察・分析するための「調査・計画能力」を養います。各教室では、教員が学生チームのグループ形成プロセス(Group Dynamics)を見守りながら、全員が主体的に議論へ参画できるようきめ細かなファシリテーションを行い、チームの成熟をバックアップします。
Lesson 10:フィールドトレーニング 実際の現場での学習(4:25)
実際の保健・医療・福祉現場に飛び込み、多職種の連携を肌で感じます。大学で学んだ理論が、刻一刻と変化する現場でどう体現されているのか。学生たちは「理論と実践の融合」を実体験として刻みます。
Lesson 11–13:分析と統合 知見の整理と共有(Lesson 12、1:27)
現場で得た膨大な気づきを整理し、プレゼンテーションと報告書にまとめます。個人の経験をチームの知見へと昇華させるこのプロセスは、クリティカルシンキングとチーム内での情報共有スキルを飛躍的に向上させます。
Lesson 14:成果発表 チームごとの発表と評価(5:38)
全チームが集い、学習成果をプレゼンします。多様な施設・症例での経験を共有することで、一つのチームを超えた広範な「チーム医療のあり方」を学び、他者の視点を取り入れる柔軟性を養います。また、プログラムの締めくくりとして、事後調査(Post-program Survey)を実施します。Lesson 1での事前調査と比較・分析することで、本カリキュラムによる学生の成長を科学的に検証し、教育効果を可視化します。
Lesson 15:リフレクション 最終振り返りと成長確認(2:00)
プログラムの締めくくりとして、医学科学生と再び合流。これまでの全工程を振り返り、医療安全の重要課題である「転倒・転落」をテーマとした合同事例検討を行います。これまでに習得したチームスキルと現場実習での経験を土台に、多職種の視点からリスク因子を多角的に分析し、現場で実践可能な予防策をチームで立案します。
最後に、全15回を通じた自身の学びを深くリフレクションすることで、専門職としてのアイデンティティを確立し、将来のチーム医療を牽引するリーダーとしての自覚と決意を新たにします。
第1回WHO協力センター世界フォーラムへの参加報告
日時:2026年4月7日-9日
場所:WHOアカデミー、マリュ・スタジアム「The Village Implid」(フランス、リヨン)
群馬大学参加者:
蒲章則 特別教授・アドバイザー・多職種連携教育推進室
牧野孝俊 准教授・副センター長・多職種連携教育推進室
世界保健機関(WHO)は、1948年4月7日の憲法施行をもって正式に設立されました。
この創立記念日に合わせ、2026年4月7日、フランスのリヨンにおいて「第1回 WHO国別協力戦略(CCS)グローバル・フォーラム」が開催されました。
第1回世界フォーラムの目的は、以下の通りです。
1. WHO協力センター(WHO CC)コミュニティの有効性と連携を強化し、WHOの戦略的目標達成を支援する。
2. 進化するグローバル・ヘルス・アーキテクチャ(国際保健構造)において、WHOと各WHO協力センターの戦略的整合性を高め、集団的なプレゼンスを強化する。
主な活動内容
【目的1に関連して】
「WHO協力センター・マーケットプレイス&ポスターセッション」および「グローバルな方向性から地域へのインパクトへ」のセッションにおいて、牧野副センター長が「多職種連携教育に関する研究・研修のためのWHO協力センター(JPN-89)の活動」と題したプレゼンテーションを行いました。あわせて、本年8月末に開催予定の「IPE(多職種連携教育)研修コース」に関する情報発信も行いました。
また、牧野副センター長は参加者との間で、災害リスク管理教育における現地能力(ローカル・キャパシティ)の構築や、科学的根拠に基づいた手法の導入について、今後の協力体制を協議しました。これらの活動は、西太平洋地域における「気候変動に強い保健医療システム」として、保健システムのレジリエンス強化、コミュニティの安全、および持続可能な開発を目指す戦略目標に合致するものです(図1)。
【目的2に関連して】
牧野副センター長は、WHO/IARCと群馬大学WHO協力センターとの連携について協議を行いました(図2)。
また、厚生労働省と国際シンポジウムを開催することに合意しました(図3)。
(図2)
(図3)
第2回グローバル学生IPEリーダーキャンプ
ー共に学び・共に生活し・共に楽しむー
本学主催で多職種連携教育グローバル・ワークショップを開催しました。
4か国6大学から学生27名、オンライン参加2校、教員12名(うち3名はオブザーバー)が参加し、アジア地域における多職種連携や多職種連携教育の現状、多職種連携教育における学生リーダーに必要な能力について議論するなど有意義な交流の時間を共に過ごしました。
報告書はこちらをご覧ください。
多職種連携教育の一環として看護補助者研修を実施
2025年11月11日(火)、群馬大学医学部附属病院看護部と協働し、「起き上がり・車いす移乗介助」研修を開催しました。本研修は、看護補助者の皆さんを対象に、多職種がともに学び、理解を深める機会として実施しました。
研修では、起き上がりおよび移乗介助の基本的手順、尿バッグ・点滴等管理を含めた応用対応、そして危険予知トレーニング(KYT) について実践的に学びました。
本研修の大きな特徴は、多職種で同じ内容を学び、共通の視点と言語を持つ機会とした点にあります。起き上がりや移乗は、看護補助者のみならず、看護師、リハビリテーション職種など多くの職種が関わるケアです。身体力学の理解や介助手順を共有することは、職種間の役割理解を深め、患者さんに対して一貫性のある安全な支援を提供する基盤となります。 また、多職種で危険予知の視点を確認することは、安全文化の醸成にもつながります。それぞれの専門性を尊重しながら協働することで、より質の高いチーム医療の実践が可能となります。
今後も、多職種連携教育の視点を重視し、現場実践に直結する研修を継続してまいります。
春海保健大学校国際交流院(韓国)と多職種連携教育分野における研究・教育交流の締結
2025年10月30日(木)、群馬大学多職種連携教育研究研修センターと韓国の春海保健大学校国際交流院の間で、Letter of Intent(LOI)が締結されました。
両組織はこのLOIに基づき、これからも積極的に多職種連携教育分野における研究・教育交流に取り組んでいくことを約束しました。










